風鈴の音がする

暑さと湿気に負けて休暇はほぼ冷房をつけっぱなしで過ごし、体を冷やした。気持ち悪い。
仕方ないので冷房をとめて小窓を開けることにした。湿気が流れこみ、さっきまでの快適さは一瞬で消えた。じんわり汗をかいてくる。
虫と、風鈴の音がする。

両隣はアパートと民家。
アパートはスポーツ観戦しているらしい男女の雄たけびが聞こえたり、庭にブロックが敷かれトマトが育っていたり、出窓から猫がくりくりの目でこちらをみていたり。民家側はおだしのにおいや、おばさま方の楽しそうな大笑い、子どもの泣き声が聞こえる。
そういうのを、羨ましく見聞きし、暮らしてるっていいなあと眺めている。

他人が暮らしている物音を嫌な感じでなく受け止められているから、少し気持ちが穏やかなのかもしれない。
前の住まいは、私が好もしいと思うような物音もなかったし、受け止める気持ちでもなかった。浮き沈みするけれど、うまくやりすごして自分の機嫌を取って暮らしていきたい。

私も風鈴を買おうかな。